安倍文殊院
智恵の仏
創建は大化元年(645)日本で最も歴史のある寺の一つ。
安倍文殊院の本尊は「三人寄れば文殊の智恵」でも有名な文殊菩薩です。
四人の脇侍を伴う渡海文殊像で、私達衆生の魔を払い、智恵を授ける為のお説法の旅にでかけているお姿で、快慶仏師によって鎌倉時代に造立されました。国宝に指定されています。
智恵を授かる為に子供から大人までたくさんの方が訪れる文殊信仰の霊場として広く知られています。また、安倍晴明ゆかりの寺でもあり魔除け災難除けの霊地としても多くの信仰を集めています。
境内案内
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国宝
渡海文殊菩薩像 本尊
渡海文殊国宝
鎌倉時代(1203年)に仏師・快慶によって造立されました。
獅子に乗る文殊菩薩を中心として、向かって左に維摩居士(最勝老人)と須菩提(仏陀波利三蔵)、向かって右に獅子の手綱を持つ優填王と先導役の善財童子、四人の脇士を伴う「渡海文殊群像」は、雲海を渡り、私達衆生の魔を払い、智恵を授ける為の説法の旅に出かけているお姿です。
五像全てが国宝指定を受けています。
智恵の合格祈願や魔除け・災難除け祈願などを願って深く信仰されています。本尊 騎獅文殊菩薩像国宝
文殊菩薩は獅子に乗り、左手には慈悲・慈愛を象徴する蓮華、右手には降魔の利剣を持たれています。文殊菩薩の胎内墨書銘より、建仁三年(1203)の大仏師・快慶の作と判明しています。
木彫極彩色の騎獅像は、高さが約7mあり日本最大です。 -
国宝
善財童子
善財童子国宝
善財童子(ぜんざいどうじ)/ 国宝
文殊菩薩に向かって右側に立つ善財童子は、「華厳経」入法界品に登場する純粋可憐な童子で、文殊菩薩の教導を受け仏の悟りを得るために53名の善知識を歴参することで知られています。
渡海文殊群像では先導役となっており、お顔が正面を向いていますが、本来は文殊菩薩に呼び止められ文殊菩薩を振り返りながら見ているお姿をされています。 -
金閣浮御堂 / 七まいり
金閣浮御堂
金閣浮御堂・霊宝館は開運弁財天(大和七福神)、安倍仲麻呂、安倍晴明の御尊像、安倍晴明の御尊軸をはじめ陰陽道に関する宝物をお祀りしている御堂です。
堂内の六面の壁面には秘仏の十二天御尊軸(室町時代)がお祀りされています。
十二天とは四方(東・西・南・北)と、四隅(東北・東南・西北・西南)の八方、天と地、日と月、すべての方角を司る守護神です。
春夏秋冬の寺宝展にて秘仏十二天軸を公開しています。七まいり
この御堂は「七まいり」という魔除け・方位災難除けを祈願する願掛けの修行場となっています。古来より七難即滅七福即生、私達は一生の内に七つの思いがけない災難があると言われています。
「七まいり」では、そうした七難に遭わないために、旅行や転勤、引越しなど、どの方角に向かっても災難が起きぬ様、魔除け・方位災難除けの神仏が安置されている御堂の回廊を「おさめ札」を納めながら七回まわります。七難を取り除き、堂内で福を得る参拝の方法です。 -
弁財天像
弁財天像
弁財天像 / 室町時代 / 大和七福神本尊
厄災を払い多くの福を招来させる仏。
大和七福八宝霊場の弁財天です。この弁財天のお姿を八臂弁天(はっぴべんてん)と言い、八本の腕を持ち、十五人の童子を儒者として従える、真言密教に伝わるお姿をしています。 -
安倍仲麻呂像
安倍仲麻呂像
安倍仲麻呂像 / 室町時代
安倍仲麻呂は当山で生まれたと伝わる奈良時代の日本人の官僚です。遣唐使として中国に渡り、科挙に合格し玄宗に仕えました。現在の安倍寺跡の横に仲麻呂屋敷があったと伝えられており、室町時代から祀られてきた安倍仲麻呂の坐像は、現在は金閣浮御堂内に安置されています。
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安倍晴明像
安倍晴明像
安倍晴明像 / 室町時代
安倍晴明は当山で生まれ天文観測をしたと伝わる陰陽師です。陰陽道の祖としても知られており、当山は安倍一族の寺として安倍晴明信仰の聖地の一つに数えられております。安倍晴明像は晴明社の主神として古来より祀られており、現在は金閣浮御堂内に安置されています。
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白山堂 重要文化財 /
安倍晴明堂と展望台白山堂
白山堂 / 室町時代
白山堂は室町時代に建立されました。流造屋根柿葺(ながれづくりやねこけらぶき)で美しい曲線の唐破風をもった社殿で、国の重要文化財にも指定されています。御祭神は全国の白山神社に祀られる白山比咩神(しらやまひめのかみ)と同一神である菊理媛神(くくりひめのかみ)で、当山の鎮守です。白山信仰と陰陽道は古くより深く結びついた為、安倍晴明ゆかりの当山に白山神社の末社が勧請されました。菊理媛神は『日本書紀』によると伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の縁を取り持たれた神様で、菊理媛の「くくり」は「括る」にもつながり、古来より縁結びの神様としても信仰されています。「縁」は巡り合わせでもあることから、人と人を結ぶ良縁成就も御祈願下さい。
安倍晴明堂と展望台
安倍晴明堂では、魔除け方位除けのご利益を頂けます。
安倍晴明公が当時天文観測のためにこの丘に登って修行をしたといわれています。
展望台からは境内の四季の移ろいを楽しむことができるとともに、大和三山(畝傍山・耳成山・天の香具山)、藤原京、二上山そして金剛山を一望できます。春と秋のお彼岸は、二上山に沈む夕陽を拝むこともできます。 -
文殊院 西古墳 /
国指定特別史跡文殊院 西古墳
文殊院 西古墳 / 国指定特別史跡 飛鳥時代(7世紀)
西古墳は飛鳥時代に造立されました。国の指定史跡の中で特に重要である「特別史跡」に指定されています。古墳の特別史跡指定は全国でも数件で、明日香の石舞台古墳、キトラ古墳、高松塚古墳と共に、当山の境内には二か所の史跡指定古墳を有します。
この西古墳の内部は、大化元年(645)当時のまま保存されており、石材は良質な花崗岩を加工し、左右対称に石組みがされています。また玄室の天井岩は一枚の石で、大きさは15㎡あり、中央部分はアーチ状に削られています。古墳内部の築造技術の美しさは日本一としても定評があります。現在、この古墳には弘法大師が造られたと伝わる「願掛け不動」がお祀りされていますが、本来は大化元年に初の左大臣となり当山を創建した安倍倉梯麻呂の墓と伝えられています。 -
境内を
彩る桜境内を彩る桜
約500本のソメイヨシノが境内を彩ります。
金閣浮御堂が建つ文殊池の周りが桜で埋め尽くされ、池にせり出すように咲く桜が水面に映り込むさまは、まさに「絶景」です。
見頃:3月下旬~4月中旬
文化財紹介
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渡海文殊群像(5像)
・騎獅文殊菩薩(きしもんじゅぼさつ)
・善財童子(ぜんざいどうじ)
・優填王(うてんおう)
・須菩提(しゅぼだい)/ (仏陀波利三蔵)
・維摩居士(ゆいまこじ)/ (最勝老人)- 区分
- 国宝(彫刻)
- 年代
- 鎌倉時代 (1203)
- 概要
- 鎌倉時代の快慶仏師による造立で、中国五台山を舞台とした文殊説話を主題とする「渡海文殊群像」。中央には日本で一番大きな文殊菩薩像(像高約7m)。
戦国時代・松永弾正久秀焼き討ち(永禄兵火)の際、本堂が全焼し文殊の乗る獅子と脇侍の最勝老人像が焼失。その後、この焼失した像は安土桃山時代の有名仏師・宗印によって造立されました。その際発見された胎内巻物・造立願文1巻が発見され、この巻物を含め文殊菩薩像、善財童子像、優填王像、須菩提像、補作の獅子、維摩居士像すべてが国宝に指定されています。
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白山神社本殿(はくさんじんじゃほんでん)
- 区分
- 重要文化財(建造物)
- 年代
- 室町時代後期 (1467-1572)
- 概要
- 白山神社本殿は文殊院境内東端西向きに鎮座し、1間社流造屋根杮葺き、美しい曲線を持ち正面に板扉三口を設けた本殿は、その手法から室町時代末期の造営として知られています。
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文殊院西古墳(もんじゅいんにしこふん)
- 区分
- 特別史跡
- 年代
- 白鳳時代 (645)
- 概要
- 645年築造。古墳内部の石材は築造当時のままで、花崗岩を加工し側壁の石の数は左右対称に組み上げられ、天井の岩は一枚岩で約15㎡もあります。石室の全長は12.5m。石室はきわめて精巧な切石で築かれ、正確で均整の取れた石積みが施されています。
参拝案内 / 交通アクセス
参拝時間 | 9:00am-5:00pm ご祈祷受付:9:00am-4:00pm |
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拝観料金 | A. 本堂 国宝文殊菩薩(参拝記念品付き) 大人(中学生以上)700円 小学生 500円 B. 金閣浮御堂霊宝館(七まいりおさめ札・お守り付き) 大人(中学生以上)700円 小学生 500円 A+B 二ヶ所共通参拝券(参拝記念品付)(七まいりおさめ札・お守り付き) 大人(中学生以上)1,200円 小学生 800円 |
所在地 | 奈良県桜井市阿部645 |
交通アクセス | ■電車でお越しの場合 最寄り駅:桜井駅(近鉄・JR西日本ともに同名駅) 桜井駅より徒歩20分 バス7分「安倍文殊院」下車 ■お車でお越しの場合 有料駐車場がございます。(乗用車200台・大型バス20台) 大阪方面よりお車でお越しの方は「南阪奈道路・最終出口」のご利用が便利です。 名古屋方面よりお車でお越しの方は「名阪国道・針IC」のご利用が便利です。 京都方面よりお車でお越しの方は「京奈和道路・最終出口」のご利用が便利です。 |